くだものと健康
くだものに対する誤解を解く
「くだものは太りやすい」は誤解 「くだものは糖尿病に悪い」は誤解 「くだものは中性脂肪を増やす」は誤解
「くだものは太りやすい」は誤解

くだものは甘いため、「甘い=糖分やエネルギーが高い」といったイメージがあるため、いまだに、くだものを食べると太ると思っている人がいますが、これは大きな誤解です。

くだものの甘さを強く感じるのは果糖によるものであり、果糖は砂糖の1.15〜1.73倍甘さを感じますが、エネルギーは1g当たり4kcalと、他の糖と変わりません。甘いからといってエネルギーが高いというわけではないのです。

また、くだものは大部分が水分であり、菓子類のようにエネルギーが高い脂質がほとんど含まれていないため、100g当たりのエネルギーは意外と少なく、50kcal程度で、ショートケーキの15%程度です。

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「くだものは糖尿病に悪い」は誤解

※糖尿病患者が1日に食べていいくだものの量

糖尿病患者は血糖値が高くなり、様々な合併症を引き起こすため、血糖値をコントロールする食事療法等が必要です。くだものに多く含まれる果糖は、血糖値を急激に上げるという根強い誤解があります。しかし、ブドウ糖を100とした血糖値の上がりやすさを示す指標であるグリセミックインデックス(GI)をみると、果糖は19、くだものは40程度と、血糖値の上昇度は低いことが分かっています。

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果糖を摂取したときに血糖値が上がりにくいのは、果糖はブドウ糖に比べて腸管での吸収が遅く、また、果糖の一部は肝臓でブドウ糖に転換されますが、果糖を代謝する酵素の活性はブドウ糖の酵素より強く、ブドウ糖より早く代謝され、ほとんどエネルギーに転換されたり、グリコーゲンとして貯蔵されてしまうためと考えられています。

また、くだものにも含まれている食物繊維は、急激な血糖値の上昇を抑制する作用があります。これは、豊富に含まれる水溶性食物繊維が胃や小腸内で粘度の高い状態になり、糖質の消化や吸収の速度が緩和されるため、血糖値の上昇が緩やかになると考えられています。このように、くだものは血糖値をあげにくい食品です。

くだものは、ビタミンCやカリウム、食物繊維の含有量が多く、摂取カロリーを制限された食事でも効率良く必要な栄養素がとれる食品で、日本糖尿病学会でも1日1単位(80kcal分、みかんなら2個程度)のくだもの摂取を勧めています。

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「くだものは中性脂肪を増やす」は誤解

くだものを食べると中性脂肪が増えて高脂血症になったり、通風や高尿酸血症になったりしやすいと一部でいわれていますが、これはまったくの誤解です。

動物実験で果糖が中性脂肪を増やすという結果が出されているものがありますが、これは総摂取エネルギーの20%を果糖で摂取した実験の場合の話で、この実験で用いた量を2000kcal摂取の人間に置き換えると、何とみかんで50個以上食べることになります。これほどの量を継続して食べることはありませんから、この実験データのようになることはありません。

なお、世界保健機関(WHO)等は、糖類に関する多数の文献を精査し、1997年に「糖類摂取は肥満を促進するという考えは誤りであり、果糖やショ糖等の糖類が生活習慣病に直接結びつくことはない」とし、砂糖等の糖類についての有害論争に終止符を打っています。

また、国内でも最近、適度の量のくだものを食べる人は、血液中の中性脂肪の含有量を正常化し、痛風等生活習慣病にかかる率が低いことが明らかになっています。

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